11月定例会 個人質問2016/11/28

11月定例会で、個人質問をいたしました。内容は、「ICT機器を活用した教育の充実について」「自転車用ヘルメットの購入補助について」です。

ICT機器を活用した教育の充実について(1)

~ 特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室におけるタブレットパソコンの活用 ~

ともお

本件については、昨年9月定例会でも質問させていただいた。教育長は、「タブレットパソコンの活用による成果やその有効性」を認められた上で、「教師や児童生徒が日常的にICTを学習利用できる環境を整えた新たな導入校を増やしていく」また、「指導用デジタル教科書については、中学校の英語から全校導入を目指す」とのご答弁をされた。その結果、本年度、新たに特別支援学校1校が導入校となった。また、本市全中学校において、英語の指導用デジタル教科書が導入された。
そこで、今回は、「ICT機器を活用した教育の充実」の第2弾として、タブレットパソコンの活用に視点を当てて質問をさせていただきたい。

森ともお特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室におけるタブレットパソコンの活用についてである。
9月定例会本会議における「特別な支援を要する児童生徒へのタブレットパソコンをはじめとしたICT機器を活用した個性を育む教育の推進」についての私から質問に対して、市長は次のようにお答えになられた。
「これはどえらいええことだと思う。特別支援の皆さんの持っておる可能性を外へ引っ張り出すということで、大変に効果があると思いますので、これは実現します」また、次のようにもおっしゃった。「大変ええアイデアというか、道をお示しいただきましたで、早速採用したいと思います」
この答弁からは、市長も、映像や音などの情報を目や耳で効果的に得られるタブレットパソコンの教育効果、その有効性については、十分ご理解をしていただいているものであり、本市として、着実に確実に進めていくべき課題であるとのご認識だと理解をしている。しかし、本年度、特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室へのタブレットパソコンの整備は、ほとんど進んでいないのが現状だ。

私は、本年度の導入校となった特別支援学校での成果や課題を踏まえ、すべての特別支援学校・特別支援学級・通級指導教室にタブレットパソコンを整備し、子どもたち一人ひとりの障害の種類や程度に対応した指導を進めるべきと考える。
ここで、私が強調したいことは、特別な支援を要する児童生徒は、一人ひとり障害の種類や程度が異なるということです。書く、聞く、見る、話す、人とかかわるなど、それら多種多様な、言ってみれば得意としない部分を補う上で、タブレットパソコンは有効であると考える。

教育長、本市特別支援学校、特別支援学級、通級指導教室におけるタブレットパソコンの整備・活用について、今後どのように進めていくつもりなのか、具体的にお答えを。


教育長

現在、特別支援学校や学級、通級指導教室の子ども達に、コンピュータ室にあるパソコンを使って、疑似体験や既存の学習ソフトを使った学習支援を行うなど、個に応じた指導にパソコンを活用している。指摘の通り、タブレットパソコンは従来のパソコンに比べ、映像や音などの情報を目や耳で効果的に得られるなど、教育上の有効性が認められている。
そこで、今年度から、新たに導入対象となった特別支援学校や特別支援学級でのタブレットパソコンの活用について実証的な研究を進めていく。ここでは、様々な障害種に応じたタブレットパソコンの活用、例えば文字の読み取りが困難な子どもに対しては音声機能を活用するなどの取り組みを行っていく。

しかし、個々の障害種に対応する学習用ソフトは多様であり、どのようなソフトを導入すればよいのか、また、それらをどのような学習活動で活用すると効果があるのか等、指導方法の開発に向け、さらに実践を積み上げていく必要がある。
教育委員会としては、今後、導入校での実施状況をふまえつつ、特別支援学校の全学級やすべての特別支援学級及び通級指導教室へのタブレットパソコンの計画的な整備に努めていきたいと考えている。

ICT機器を活用した教育の充実について(2)

~ 子ども適応相談センターにおいて ~

ともお

子ども適応相談センターは、心理的な理由で登校できない児童生徒の学校復帰を目指して、教育相談や適応指導などの事業を行っており、「なごやフレンドリーナウ」と呼ばれている。
子ども適応相談センターには、本市在住の不登校の小中学生が通所し、本人・保護者それぞれに個別の教育相談を行ったり、スポーツ、ゲーム、創作活動、学習など、集団の中での生活体験を通して、対人関係の改善や、自主性・自発性の育成が図られたりしている。時季に応じ、調理や市内散策などの体験活動、所内、所外での宿泊活動も行われている。

私が西区の栄生小学校に勤務していたころは、西区の浄心にだけ「子ども適応相談センター」が開設され、担任として、訪問したことを記憶している。
近年、なかなか登校できない児童生徒が増加し、現在は、南区の笠寺、中区の鶴舞にサテライトが設置された。昨年度は、浄心・笠寺・鶴舞、3施設合わせて、365人の児童生徒が通所している。平成23年は242人でしたので、この5年間で、通所児童生徒が100人以上増えていることになる。

森ともおさて、今年9月に、文部科学省より「不登校児童生徒への支援の在り方について」の通知が出された。そこには、「児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意する必要がある」と述べられている。そして、不登校児童生徒に対する多様な教育機会の確保のため、一人ひとりの状況に応じて、子ども適応相談センターのような教育支援センターを活用したり、ICTを活用した学習支援を行ったりして、多様な教育機会を確保していく必要性についても述べられている。
私も、不登校児童生徒の学習機会の確保は大変重要な取り組みであると考える。小学校高学年や中学生と、学年が上がるにつれ、仮に登校できそうな状況になっても、学習面でクラスの友達との差が気になり、登校に不安を感じてしまう児童生徒を、少しでも減らしていくことが大切だ。
子ども適応相談センターでは、学習支援も行われているが、私が調査・確認したところによると、基本的には個別や少人数での指導となるため、時間が制約されてしまい、通所者が350人を超える中、現在の人的な対応では、十分な支援を行うことが難しくなっている状況があるととらえている。

今後、子ども適応相談センターにおいても、文部科学省の通知にも述べられているように、タブレットパソコンを活用した学習支援を検討する時期に来ているのではないか。
そこで、子ども適応相談センターにおける学習支援が、現状どのように行われているのか、また、今後、学習支援にタブレットパソコンを活用することをどのようにお考えか、教育長、ご答弁をお願いしたい。


教育長

子ども適応相談センターに通所する児童生徒の多くは、学習の遅れについて不安を感じている。そうした児童生徒に対し、一人一人のつまずきに応じ、学習機会を確保することは大変重要であると考えている。
現在、通所が安定してきた児童生徒は、それぞれが持参した教材や問題集を利用して、個別に学習を進めており、相談員が寄り添い、質問に答えたりつまずいているところを教えたりしている。

近年、通所者数が大幅に増加する中、タブレットパソコンを導入することで、オンラインによる学習コンテンツの利用が個別にできるようになる。それぞれのつまずきの箇所に対応した学習支援が可能になり、児童生徒が自分のペースで学習したり、興味関心をもって取り組んだりするなど、意欲的な学習につながることが期待されている。
このように、タブレットパソコンは子ども適応相談センターに通所する児童生徒の学習支援に効果的であることから、今後、タブレットパソコンの整備に努めていきたいと考えている。

ICT機器を活用した教育の充実について(3)

~ 要望 ~

ともお

タブレットパソコンをはじめとしたICT機器を活用した教育の充実について、教育長から、特別支援学校や学級、通級指導教室において、「指導方法の開発に向けた実践の積み上げとともに、様々な障害種に応じた活用を行う」との整備だけにとどまらない児童生徒のための実効性あるご答弁をいただき、感謝申し上げる。
また、子ども適応センターについても、タブレットパソコンの整備に努めることはもちろんのこと、その利点を生かし、児童生徒の学習機会の確保と意欲的な学習に向けての展望についてもご答弁をいただき、心強く感じた。そのことが、「学校に行きたいけど、行けない」と苦しんでいる子どもたちの学校復帰への一助となることを強く願っている。

森ともお9月定例会の際、述べさせていただいたので細かくは繰り返しませんが、本市が、他の政令市のタブレットパソコンをはじめとしたICT機器の導入状況がずいぶん遅れた状況にあることは、改めて強調させていただく。
国際化、情報化が急激に加速している現代社会において、これからの未来を担う子どもたちが、ICT機器を積極的に、そして、効果的に活用していく能力が重要であるという観点からも、近い将来、今3校である導入校と同様のICT機器を、すべての学校に計画的に、確実に整備していただくことを改めて要望し、本件については、終わらせていただく。

自転車用ヘルメットの購入補助について(1)

~ 自転車安全利用促進に関する条例制定を見据えて ~

ともお

愛知県警によると、平成27年の県内交通事故死者数は、不名誉ながら全国ワースト1となる213人である。うち、65歳以上の高齢者が6割弱の122人。自転車を利用していて亡くなられた方は47人で、そのうちの高齢者は35人と7割以上を占めている。私は、この数字を見て、いかに自転車に乗る高齢者が、危険と隣り合わせであり、しっかりとした安全対策や意識啓発を講じなければならないのではないかと強く感じた。
では、安全対策、体を守るということに視点を当てて考えると、体のどの部分を最優先して守らなくてはいけないのか。それは、当然、頭ということになる。県内において、自転車に乗った高齢者が車と接触して転倒した際に頭を打って死亡した事故をはじめ、部位別にみると、頭部損傷による死亡者数が6割強と最も多い。ヘルメットを着けていれば、死亡には至らなかったケースも多いようだ。
なかには、車と接触した際、車・自転車双方ともに、ほとんどキズが付かないほどのスピードだったにもかかわらず、自転車に乗った高齢者が、車と接触して転んだ際に、頭を強く打ったことで命を落とされるというケースもある。

自転車乗車時のヘルメット着用は、平成20年6月の道路交通法改正により、13歳未満の子どもは努力義務化された。すなわち、子どもを保護する責任のある者が、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。以降、子ども用ヘルメットはずいぶん定着し、今では、サイクルショップやホームセンターには、必ずと言っていいほど、子ども用ヘルメットが並んでいる。自転車に乗るときにヘルメットをかぶっている子どもが、多くなったと思いませんか。
本市が平成27年7月に市民2000人を対象に行ったアンケートによると、約7割の方が「13歳未満の子どもにヘルメットを着用させている」との結果が出ている。
一方で、国の法律では、今でも、高齢者を含めた大人には、ヘルメット着用に関する規定はない。自転車を利用していて亡くなられる高齢者が大変多いことや、愛知県が交通事故死者数ワースト1であることを考えると、本市において、早急に手を打たなければならない大きな課題だと思う。

本年度、安心・安全なまちづくり対策特別委員会において、仮称「自転車安全利用促進に関する条例」を調査してきている。具体的な本条例の特徴は、①高齢者のヘルメット着用、努力義務化、②自転車に乗る場合の損害賠償責任保険の加入義務化である。
本条例については、2月定例会の上程を目指しているところだが、愛知県内において、自転車に関して、先ほど述べた内容まで踏み込んだ条例を定めている市町はない。本条例が本市で可決されれば、とりわけ県内の市町への影響は、かなり大きなものであり、画期的な内容であると思っている。
他の政令市で、自転車ヘルメット着用について条例で努力義務の規定を設けているのは、福岡市と堺市のみである。なかでも、平成26年10月の条例施行に合わせ、翌6月より自転車ヘルメット購入費用の一部補助制度を設けている堺市に、先日、視察に伺わせていただいた。

堺市は、ヘルメットの購入補助を全国に先駆けて行っており、その対象は、自転車講習会を受講した市内在住の小学生及びその保護者と65歳以上の高齢者。ヘルメット購入までの流れは、講習会受講時に受け取るヘルメット購入補助券を持って補助事業協力店に提出すると、ヘルメット購入金額の半額(上限2000円)補助が受けられるというものである。堺市によると、条例施行前と1年後の着用率は、なんと2.7倍に増えたということだった。
交通死亡事故者、特に自転車乗車時の死亡者数を減らすためには、ヘルメット着用率の向上が必須であると思う。このことは、これまでいくつかの市内警察署に伺った際のお話からも強く感じている。「ヘルメットさえかぶっていれば、亡くなることはなかった」との交通課長さんの言葉が強く心に残っている。

森ともおそこで、本市において、条例に着用の努力義務化を盛り込む予定の「高齢者」に加え、道路交通法でも努力義務とされている13歳未満の子どもを対象に、条例制定と併せ、「自転車用ヘルメットの購入補助制度」を設けることを提案申し上げる。
先日、南警察署に赴き、見た目が帽子のようで、かぶることに抵抗が少ないと言われて自転車用帽子付きヘルメットを推奨する取り組みや交通安全協会南支部が行っている帽子付きヘルメット購入時の1000円補助について、また、学区の自転車教室の状況などについてお話を伺ってきた。これらについては、新聞でも何度か取り上げられているので、皆さんもご存じのことかと思う。
南署から、自転車用帽子付きヘルメットをお借りしてきたので、ご覧いただきたい。

  1. これは、普通のヘルメットで、私が中学生の頃かぶっていたもの。
  2. これは、息子の物ですが、スポーツタイプのヘルメット。
  3. これは、自転車用帽子付きヘルメットで男性用。
  4. 最後に、帽子付きヘルメットの女性用。

このように、季節などによって付け替えができたり、デザイン性を求めたりしたヘルメットも出てきている。本市のヘルメット着用率が上がり、ひいては、交通事故で亡くなる方がいなくなることが、私のみならず、ここにお見えの皆さんすべての願いであると思っている。
以上のことを踏まえ、質問させていただく。
自転車安全利用促進に関する条例制定を見据え、本市において、自転車の講習等を充実させるとともに、自転車用ヘルメット購入費用補助制度を導入すべきと考えるが、市民経済局長、お答えを。

市民経済
局長

自転車は運転免許が必要なく、手軽で便利な乗り物でかつ環境にもやさしいことから、子どもから高齢者まで多くの方が利用されている。しかし一方では、平成27年の市内の自転車乗車中の死者は17人、死傷者は3,392人に上っている。死者のうち高齢者の方は12人と約7割を占めているが、そのうち10人の方が頭部の損傷により亡くなっている。
こうした現状を踏まえると、自転車乗車中に重大な事故にあわないようにするためには、乗車用ヘルメットが有効であり、その普及を図っていく必要があると認識しているところで、これまでも地域や学校における交通安全教室などにおいて、交通ルールの周知とあわせて市民への啓発に努めてきている。

現在、本市では、自転車の安全な利用を促進し、交通事故の減少に努めるとともに、自転車事故による被害者の保護を図ることを目的として、条例の制定を検討しているところである。この条例では、高齢者が自転車を利用される際に、乗車用ヘルメットを着用していただくことを努力義務として規定したいと考えている。
今後は、これまでの交通安全教室に加え、高齢者の身体的特性を踏まえた自転車の講習等を各区において開催するなど、様々な機会を捉えて乗車用ヘルメットの有効性をより一層市民にお伝えしていく。また、高齢者及び児童・幼児の乗車用ヘルメットの普及促進に関しては、ご指摘の他都市の補助制度も参考にしながら、支援施策を検討していきたい。

自転車用ヘルメットの購入補助について(2)

~ 要望 ~

ともお

局長より、自転車講習や意識啓発に関わる内容について、積極的なご答弁をいただいた。また、自転車用ヘルメットの購入補助については、私の質問の中で、政令市で唯一、購入補助制度を取り入れている堺市について触れさせていただきましたが、局長からは、「ヘルメットの普及促進に関して、他都市の補助制度も参考にしながら支援施策を検討していく」とのご答弁をいただいた。このタイミングで、ずいぶん踏み込んだ形でのご答弁をいただけた。
今回のご答弁をもとに、条例制定を目指す今、自転車用ヘルメットの購入費用補助制度が確実に導入され、大都市名古屋において、交通事故死亡者数0に向けた第一歩を踏み出すこと、そして、そのことが愛知県内にも良い影響が広がることを期待している。

最後に2点要望を述べさせていただく。
1点目は講習について。平成27年度に自転車講習を受けた人数を見ると、例えば高齢者においては、少ない区では0人、多い区では約500人となっている。熱田区もそうだが、学区単位で3世代の自転車教室が実施されていたり、子ども向けの自転車教室が行われたりと、各区によって、自転車講習の対象者や規模、回数などには違いがある。
したがって、ご答弁にあった、自転車の講習を区ごとに開催する際には、それぞれの区の自転車講習の実施状況や交通安全協会、警察署との連携をしっかりと図り、より有効な自転車講習となるよう、そして、区によって、講習を受けられる人数に大きなばらつきが出ないよう、市民経済局の皆さまにはご尽力いただきたいと思う。
森ともお2点目は、補助額について。堺市では上限2000円であったが、この条例制定に合わせ、インパクトのある補助額にしていただくことをお願いする。また、スタートのタイミングでは無理かと思うが、今後、これは事業者の協力が不可欠であるが、例えば自転車とセットで購入すると、より補助額が大きくなるようなことも視野に入れた制度にするなど、ヘルメット着用率の向上に向け、工夫してほしいと思う。
最後になるが、今回の大都市名古屋における条例制定を機に、本市はもちろん、愛知県における交通事故死亡者0を目指す取り組みが、大きく大きく前進することを強くお願いし、質問を終わらせていただく。

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