平成30年2月定例会 個人質問2018/03/06

2月定例会で、質問をいたしました。内容は、「学校におけるICT環境について 一新学習指導要領の全面実施を見据えて一」です。

学校におけるICT環境について(1)

~ 新学習指導要領の全面実施を見据えて ~

ともお

平成32年度より小学校において、平成33年度より中学校において、新学習指導要領が全面実施されます。その結果、本市教育においても、大きく二つのことが変わります。その一つは、小中学校における「特別の教科としての道徳科の新設」であり、もう一つが小学校における「3、4年生の外国語活動の新設」と「5、6年生の教科としての外国語の新設」です。

一つ目の道徳科については、これまでも学校教育において指導がされてきましたが、今回の大きなポイントは、「特別な教科としての道徳科」になるという点です。「教科」になるということは、簡単に言えば、これまでと違い、道徳の授業で教師が行った指導の結果について、評価をすることになるということです。
もう一つの外国語については、小学校学習指導要領の完全実施となる平成32年度には、3、4年生の外国語活動が年間35時間、そして、5、6年生の外国語活動が、「教科としての外国語(英語)」に変わり、年間70時間行われることになります。

森ともお他にも、例えば、「プログラミング教育」が取り入れられるようになるなど、平成32年度の新学習指導要領の完全実施に向けた移行時期も含め、ここ数年で、学校現場には、大きな変化が生じることになります。単純に二つの教科が増えるということだけを考えても、教員一人ひとりが、本来行うべき教材研究にかけるべき時間も増加するであろうということは、改めて言うまでもありません。

一方で、昨今、「働き方改革」という言葉が、国会やマスコミでも多く取り上げられるようになりました。「働き方改革」については、昨日も、わが会派のうかい春美議員の質問の中でも、触れられていましたが、とりわけ「教員の働き方改革」については、中央教育審議会の特別部会が「教員が行うべき業務の明確化・適正化」「勤務管理の徹底」などを求める中間報告をまとめ、昨年末には、長時間勤務の温床とも言われている「給特法の見直し」にまで言及するなど、議論が活発化しています。
また、先の衆議院予算委員会質疑では、首相から「教員が子どもと向き合える時間をしっかりと確保する」との答弁もありました。

そんな中での、今回の新学習指導要領の改訂であり、今のままでは、教員が子どもと向き合う時間がこれまで以上に確保しづらい状態になることは、だれもが想像できるのではないでしょうか。だからこそ、どのようにして「教員が子どもと向き合う時間を確保していくか」ということを真剣に、そして、実効性ある方策を、様々な角度から見出していかなければなりません。

新たな校務支援システムの整備(1)

~ 本市における校務支援システムの現状 ~

ともお

私は、実効性ある方策の一つが、「新たな校務支援システムの整備」だと思っています。本件については、「教師が子どもと向き合う時間の確保」という観点で、昨年9月定例会においても取り上げさせていただきました。
ここで、新たな校務支援システムが整備されると、どのようなメリットがあるかを述べさせていただきます。まず、すべての学校が統一された校務支援ソフトを使うことで、当然のことながら、学校を異動しても同じように使用することができるということです。

現在は、各学校によって、教育委員会が限りなく少ない予算で作成した校務支援ソフトや、市販の校務支援ソフト、更にはパソコンが得意な教員が個人で作成した成績処理ソフトなど、様々なソフトが使われています。そのことによって、学校を変わるたびに、新たなソフトの使い方を覚えなければなりません。こんな非効率なことはないでしょう。
また、個人作成のソフトを使用しているいくつかの学校では、トラブルが生じたときに、ICTが得意な教員しか対処することができず、大きな負担となっている現状があるとも聞いています。

森ともおまた、校務支援各種データを連動させることにより、現在は、やむなく行わざるを得ない二重・三重の作業をしなくてもよくなります。例えば、健康診断もデータ入力をしながら行えば、健診終了時点で、保護者へのお便り、健康診断票もほぼ完成する。等、圧倒的な時間の有効活用につながります。
教育委員会が作成した校務支援ソフトについては、平成26年度からの試行実施が始まり、その度、改善を重ね、平成28年度の本格実施を迎えました。しかしながら、現段階の学校全体での利用率は、小学校で34%、中学校で32%です。しかしながら、この数字は、ソフト機能の一部でも使用していればカウントされている数字であることを考えれば、実際の利用率は、さらに低いと言っても過言ではないでしょう。

新たな校務支援システムの整備(2)

~ 来年度に向けた取り組み ~

ともお

先に述べた、新学習指導要領の完全実施を見据えた教師の働き方改革は喫緊の課題です。9月定例会では、「校務支援ソフトを含めたICT環境の整備について、抜本的な見直しを検討する」との答弁がありましたが、来年度「新たな校務支援システム」の整備に向け、どのように取り組んでいくのか。教育長、お答えください。

教育長

来年度は、通知表作成などを行う現行の校務支援ソフトに比べて機能性・操作性を充実した「新たな校務支援システム」を、小中各1校で試行導入し、教員の負担軽減効果等について調査検証を行ってまいります。

今後、調査結果を踏まえて、全校でのシステム導入に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

新たな校務支援システムの整備(3)

~ 全校実施に向けたスケジュール(再質問) ~

ともお

新たな校務支援システムについては、「来年度、機能性・操作性を充実した新たな校務支援システムを、小中各1校で試行導入し、調査結果を踏まえて、全校でのシステム導入に向けて取り組みを進めていく」とのご答弁をいただきました。
新たな校務支援システムの導入については、平成32年度の新学習指導要領の完全実施を見据えたとき、「働き方改革」の観点からも、もう時間的に猶予のある話ではありません。
全校での校務支援システム導入に向けて、スケジュールはどのようになっているのか。教育長、お答えください。

教育長

新たな校務支援システムの導入につきましては、30年度の調査結果を踏まえて全校で整備できるよう、31年度予算要求に向けて具体的に検討していきたいと考えております。

学校教育にかかわるICT環境の管理・運営体制(1)

~ 本市における学校教育にかかわるICT環境の現状 ~

ともお

次に、学校教育に関わるICT環境の管理・運営体制について質問をさせていただきます。大変有効なICT技術ですが、この分野は、非常に高度化・専門化しており、現在の名古屋市では、学校現場や教育委員会事務局のそれぞれの課が、別々に担当していることにより、パソコンセキュリティや学校現場でのパソコン等情報機器の統一的な管理など、危機管理面や財政面において、今すぐにでも何とかしなければならない大変多くの課題があります。
また、子どもたちのICT環境に目を向けると、インターネット環境の接続が悪く、授業中も通信速度が遅く授業の進行の妨げになったり、サイトへの接続が中断され、突然インターネットにつながらなくなったりしていると聞いています。

森ともお先日ある小学校の先生から、「授業でNHKのテレビ番組をインターネットで見せようとしたら回線速度が遅すぎて全く再生ができなかった」という話を聞きました。一昔前は、教室にテレビが有り、NHK教育テレビの放送される時間に時間割を合わせて番組を視聴させ、授業で活用していましたが、現在は、教室にインターネット回線が引かれ、インターネットを活用した授業が手軽にできるようになりました。
例えば、NHKforSchoolはインターネット上にNHKの教育番組があっていつでも自由にしかも、部分的にでも視聴することができるようになっています。おかげで、NHKの教育テレビも、教育課程に沿った進度で活用でき、教員は重要な教材として活用しています。

しかし、このような素晴らしい教材が活用できるのは、学校のインターネット回線が通常通りつながっているという仮定の上の話です。現在名古屋市の学校のインターネット回線は、時間帯によっては、ヤフーのトップページを開くのに30秒近くかかることもあると聞いています。このような状態で、これからの情報化社会を生き抜いていくこどもたちの健全な育成ができるのでしょうか。

学校教育にかかわるICT環境の管理・運営体制(2)

~ 学校全体のICT環境を管理・運営していく体制の整備 ~

ともお

学校が安全に安心して、かつ効率的にICTを活用していくためには、学校全体のICT環境をしっかり管理・運営していく体制の整備、例えば、教育委員会内に「情報推進課」を設置すること必要不可欠であると考えますが、教育長のご所見をお聞かせください。

教育長

名古屋市の学校では、児童生徒が学習で活用する学習用コンピュータや教員が事務処理に使う校務用コンピュータなど様々なICT環境の整備がなされております。これからますます情報化が進んでいく社会の中で、学校のICT環境の充実やセキュリティの確保は喫緊の課題であると認識しております。
29年度、教育委員会内の関係課が集まり、学校におけるICT環境のあり方について議論を重ねてきたところでございます。

今後は、学校全体のICT環境の一元管理に向けて、組織の改編を含めて、よりよい管理・運営体制の整備について検討を進めていきたいと考えております。

学校教育にかかわるICT環境の管理・運営体制(3)

~ 一元管理の体制作りのスケジュール(再質問) ~

ともお

学校教育に関わるICT環境の管理・運営体制については、「学校全体のICT環境の一元管理に向けて、組織の改編を含めて、よりよい管理・運営体制の整備について検討を進めていく」とのご答弁をいただきました。
森ともお平成32年に向けた新たな校務支援システムを念頭におけば、遅くとも31年度には、「情報推進課」もしくは「情報推進室」の設置を含めた、体制の構築をしていただくことが必須であると考えます。
学校全体のICT環境を一元的に管理・運営していく体制づくりへの教育長としての思いを含め、いつまでにその体制づくりをしていくのか、教育長、よろしくお願いいたします。

教育長

学校のコンピュータなどがインターネットに接続するためのセンターサーバの更新に合わせ、31年度を目途に学校のICT環境を一元管理できる体制をつくることが不可欠と認識しております。
教育委員会として、実現に向けてしっかりと検討していきたいと考えております。

学校におけるICT環境について

~ 校務支援システム・学校全体のITC環境体制の整備を(要望) ~

新たな校務支援システムの導入については、31年度予算要求に向けて具体的に検討していく」。「31年度に一元管理する体制をつくることが不可欠であり、実現に向けしっかりと検討していく」と、2点について、教育長より,踏み込んだご答弁をいただきました。

働き方改革が叫ばれる今、教員の仕事量を減らすことは喫緊の課題ですが、ただ、教員が子どもと向き合う時間をこれ以上減らしてはいけません。子どもたちにかかわるという教員本来の仕事を減らすわけにはいかないのです。来るべき平成32年以降の新学習指導要領の全面実施を見据え、ぜひとも、名古屋市、そして、教育委員会の知恵を振り絞り、日本一の校務支援システムを築くとともに、学校全体のICT環境をしっかり管理・運営していく体制を整備していただきたいと思います。

そして、その万全の体制をもって、本市が他の政令市と比べて立ち遅れてしまっている、インターネット環境や、各教室への大型提示装置とタブレットの整備、校務用コンピュータのリース化など、未来を担う子どもたちへの先行投資を確実に行っていただくことを強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

MoriTomoo

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