11月定例会 議案外質問2015/11/27
11月定例会で、議案外質問をいたしました。内容は、「学校における仲間づくり推進事業について」「学校図書館教育の充実について」「小児のインフルエンザ予防接種の費用助成について」です。
学校における仲間づくり推進事業について
~ 実施校の大幅な拡大を ~
森
ともお
学校における「仲間づくり推進事業」は、児童生徒が互いを思いやる心を身に付け、友情を深め合う活動を活性化することにより、学校生活の充実を図ることを目的とした事業であり、初年度となる平成25年度には、小中学校24校で開始された。翌26年度には32校、本年度は40校で、それぞれの小中学校の独自性を生かした取り組みが行われたと聞いている。
子どもたちが「みんなで何かに取り組むこと」「大勢で一つのものを創り上げること」は、子どもたちに連帯感を醸成し、自己有用感を高めることに有効であると思っている。また、子どもたちの学校生活の充実を図る上で、各学校の特色や子どもたちの発想を大切にした取り組みができるという点において、大変意義があると考える。
教育委員会として、子どもたちを守るために、一つ一つ積み重ねていく方策の一つとして、私は、本事業の実施校を大幅に増やすことが必要であると考える。本事業の成果、課題を踏まえた教育長の考えを伺う。
市
教育長
成果として、多くの実施校から同じ目標に向かって互いに協力しながら活動することで、子どもたちに達成感や成就感、自己有用感を味わわせることできたとの報告を受けている。今後は、他の学校が実践するための参考となるよう、実施校の成果を全市に幅広く紹介するとともに、実施校の拡大を検討していく。
学校図書館教育の充実について
~ 学校図書館に学校司書の配置を ~
森
ともお
本年4月より、学校には学校司書を置くことが努力義務となった。平成26年6月現在の全国の学校司書配置状況については、小学校では約90%、中学校では約66%の学校に、学校司書が配置されている。実は、これまで20ある政令市の中で、唯一、本市だけが、学校司書が配置されていなかった。しかも、政令市の半数となる10市では、全ての小中学校に学校司書が配置されている。
学校司書の配置は、子どもたちが読書により親しむことができるようにするだけでなく、子どもたちの学習意欲を高める上でも有効であることは明らかである。次の学習指導要領では「アクティブ・ラーニング」(子どもたちが課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習法)が大きな柱となっている。その「アクティブ・ラーニング」を支える上で、学校司書の存在はたいへん重要であると考える。
図書館は様々な子どもの居場所でもある。そこに、いつもいて、見守っていてくれる人がいれば、より安心して来ることができる子どもが増えるであろう。そういう意味でも、学校司書の配置は子どもたちに大きな効果を与えると言える。このように、子どもたちが、読書に親しむことができる場所としての読書センターとしての学校図書館、また、多様な図書館資料等を活用し、課題の発見と解決に向けて、主体的・協働的に学ぶことができる学習センター・情報センターとしての学校図書館とする上で、本市における学校司書の配置はぜひとも必要と考える。
名古屋市の学校図書館教育の充実のためには、学校図書館に学校司書を配置することは必須。今後、学校司書をどのように配置していく計画か、教育長の考えを伺う。
市
教育長
学校司書については、子どもたちに学校図書館の利用を促し、読書意欲や学習意欲の向上を図る観点から必要性を認識している。本年度は、小学校2校と中学校2校で、学校司書の有効な活用の仕方について研究しているところ。当該校では、学校司書が学校図書館の環境整備や授業で必要な図書資料の準備等に携わることで、子どもの主体的な学習が進んでいる。学校司書が在校している間は、常時開館できることで、子どもが始業前や休み時間に自由に来館できるようにもなっている。
今後、当該校における成果と課題を検証し、学校司書を配置できるよう検討していく。
森
ともお
教育長から、「学力向上サポート事業」を活用した、学校司書の研究を踏まえた成果について、また、学校司書を配置できるよう検討していくとの前向きな答弁をいただいた。名古屋のいくつかの限られた学校だけの整備ではなく、名古屋市すべての学校の図書館に学校司書の配置が必要だと思う。
そこで、市長にもよく聞いておいていただきたい部分であるが、25日の本会議の中で、市長の答弁に、「先生の分業を進めることが大切」といった主旨の内容があったかと思う。まさに市長が言われる「分業」という視点、「子ども応援委員会」のみならず、どの部分を「分業」していくことが望ましいのか、このことはしっかりと議論をしていく必要があると思っている。
この学校図書館教育に焦点を当てるならば、今は、司書教諭が担任を兼ねているのが現状である。担任ということは、ほとんどの時間、授業をしているわけで、休み時間には、子どもの話を聞いたり、トラブルの対応をしたり、または、子どもたちと遊んだり、授業後には、授業の準備があり、学校の仕事があり、もちろん部活動がある先生もいる。「分業」などとは程遠い状態であるのが現状である。
このことから、まずは、本日話題にさせていただいた学校司書の全校配置を目指すこと、そして、さらに言えば、平成29年度には政令市への権限移譲を控えている。このタイミングを捉え、「専任の司書教諭の配置」をも視野に入れた、名古屋の学校図書館教育の充実をお願いし、私からの要望とさせていただく。
小児のインフルエンザ予防接種について
~ 予防接種費用の助成を ~
森
ともお
インフルエンザは、一般に風邪とくらべると症状が重く、特に子どもや高齢者は重症化しやすいとされている。子どもや高齢者、呼吸器系や心臓などに持病をもっている方がインフルエンザにかかると、肺炎や脳症などの重症の合併症をおこす場合もある。
インフルエンザの予防接種を受けるには、料金は医療機関によって異なるものの、1回あたり3,000円前後かかると聞いている。
13歳未満の子どもは、接種回数が2回とされているため、その倍の費用が毎年かかることになる。さらに、子どもの数が、2人、3人と増えれば、かかる費用も2倍、3倍となり、保護者の負担が重くなることは言うまでもない。
平成13年の予防接種法改正により、65歳以上の高齢者が定期接種の対象となっており、本市においては、65歳以上の高齢者は、1,000円の自己負担金で受けられる制度がある。しかしながら、高齢者と同様にインフルエンザが重症化しやすいと言われている子どもには、まったく助成制度がないのが現状である。
子どもたちが、インフルエンザ予防接種を受けやすくするため、名古屋市として小児のインフルエンザ予防接種の費用助成を実施してはどうかと考える。健康福祉局長の考えを伺う。
健康福
祉局長
発症防止や重症化防止の効果については、一定程度認められるものの、予防接種法の対象から外された経緯やワクチンの有効性などに限界があり、感染症対策としての小児のインフルエンザ予防接種の費用助成を実施することは、現時点では、課題が多いものと考えている。
森
ともお
インフルエンザ予防接種に関わるこれまでの経緯 や国の見解については理解をしているつもりである。 私も、何人かの医師に聞き取りをさせていただいたが、「予防接種は受けた方 がよい」「あまり積極的には進めていない」と、医師によっても、予防接種に対する考え方は同じではないようである。
いくつかの学校にも問い合わせたところ、インフルエンザの流行時期は高 校入試の時期と重なることから、中には、「中学3年生の98%が予防接種を受けている」という学校もあった。もちろん、これがすべてではなく、約半数のみという学校もあった。
私がここで強調したいのは、一定程度の発症予防効果と重症化予防の効果があるとされていることから、現実に大変多くの保護者が、子どもに予防接種を受けさせているということである。 健康福祉局長、改めて助成制度の実施についての見解をお願いしたい。
健康福
祉局長
小児のインフルエンザ予防接種については、現時点では有効性などの観点についてなお課題があるものと認識しているが、予防接種のさらなる充実に向けて、ご指摘の点を含め、引き続き検討していきたいと考えているのでご理解を。
森
ともお
今や、本市名古屋はもちろん、現代の日本の抱える大きな課題の一つの「少子高齢化」、子どもは宝物であるが、子育てにはお金が必要である。 実は、本市と同じ政令市の神戸市では、平成21年より、子育て支援の観点から、満1歳から13歳未満の子どもに対して、2回のうち1回目の接種に対して、 1,360円の助成をしている。
全額補助とはもちろん言わないが、子どもたちを、そして、その子どもたちを育てている保護者を、名古屋市として応援をしていく、名古屋市において、大きな責任を担う市長の明確な姿勢を示していただきたい。
名古屋
市長
今年度の予防接種値上げ分は、補助してはどうかと考える。