平成29年11月定例会 個人質問2017/11/30

11月定例会で、質問をいたしました。内容は、「市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について」「名古屋国際会議場の機能強化について」です。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(1)

~ 本市防災対策の現状 ~

ともお

いつ来てもおかしくないと言われている「南海トラフ巨大地震」を含む大規模地震及びそれに伴う津波、また、巨大台風、多発するゲリラ豪雨などの風水害、これらの自然災害による被害を少しでも軽減し、市民の皆さんの大切な命、そして、財産を守ることは、本市行政が担うべき最も重要な役割の一つであると思っています。
本市では、地震災害及び風水害による被害軽減のために、本市が実施すべき震災対策及び風水害対策を総合的かつ計画的に推進することを目的として策定した「名古屋市震災対策実施計画」及び「名古屋市風水害対策実施計画」をもとに、防災にかかわる事業を推進しています。

森ともお例えば、本年3月にすべての世帯に配付された、この「ナゴヤ避難ガイド」もその一環で作成されました。また、市役所、区役所や消防署等において、停電時にも災害対応活動を維持すべく、来年度までを目途に順次行っている「非常用電源設備の整備」や、避難所避難者等に物資を供給するための「食糧、生活必需品の備蓄」、各種マニュアルの策定、各種防災訓練の充実に向けた支援など、防災にかかわる事業内容は多岐にわたっています。
本定例会、本会議においても、防災に関する内容がいくつか取り上げられておりますが、私からは、本市防災事業の中から、災害時の情報伝達として重要である同報無線に焦点を当てて質問をさせていただきます。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(2)

~ 同報無線の現状及び計画 ~

ともお

同報無線については、市内全域にサイレンと音声を伝達できるよう、平成26年度から調査・設計を経て、本年度末を目途に、約20億余の予算をかけ、スピーカーの「機能強化」と「増設」を軸として、現在、順次整備を進めているところであります。

森ともお本市の同報無線の配置図がこれ(右図参照)です。これまでは、スピーカーが、市内全域合計で177局設置されていました。黄緑色の〇と小さな〇がそれにあたります。しかし、音声が約350mしか到達しない形式であったために、たとえアナウンスが流れても、スピーカーの近くにいる方以外の皆さんには、その内容はほとんど伝わらないという状態でした。
今回のスピーカーの機能強化と増設により、今年度中には、市内全域合計232局が整備完了します。例えば、黒色の〇が、音声が約700m到達する新設スピーカーで193局。また、今回、音声が約1400m到達する大型スピーカーも12局整備されます。この図では、☆印がその大型スピーカーです。赤色の☆はこれまで小型だったものを今回大型にしたもの。黒色の☆は今回新設したものです。

森ともおこれまで順次、整備が完了したスピーカーについては、周辺住民の皆さまへの周知や動作確認を含め、部分的に定期的な訓練やテストを行っていると聞いています。
9月に実施されている「なごや市民総ぐるみ防災訓練」においては、訓練の一環として、市内各所に設置されている防災スピーカーから一斉にサイレンと音声を流しています。5月の「総合水防訓練」においては、区ごとに地域を限定する形で、同様の吹鳴訓練が実施されています。また、毎月1日の夕方には、同報無線のテスト放送として音楽が流されています。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(2)

~ 同報無線の吹鳴訓練の提案 ~

ともお

さて、この同報無線については、いよいよ今年度末で全体整備が完了いたします。そこで、私は、この全体整備完了の機会を捉えて、市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」を実施してはどうかとご提案を申し上げます。
ただ単に、今回整備が完了するすべてのスピーカーから一斉にサイレンやアナウンスなどの音を出すだけではあまり意味がありません。私は、市民の皆様に、事前に日付、時こくなどをしっかりと周知した上で、本市初となる本番さながらの本市一斉の吹鳴訓練を実施してはどうかと考えます。

いつ起きてもおかしくない巨大地震が発生したとき、もしくは、予期せぬ局地的豪雨等があったときに、「実際にどのようなサイレンが鳴り、どのくらいの音量で、どんなアナウンスが流れるのか」さらには、そのとき、「自分は、そして、自分の家族は、何を持って、どこに避難するのか、いや、その場にとどまるのかなど」、自然災害発生時に、市民の皆さん一人一人が、どう対応をすべきかを考える機会としてはどうかと思うのです。
また、「サイレンが鳴ったら、そのあとに流れるアナウンスをしっかりと聞くことが自分や家族の命を守ることに繋がるんだ」ということを改めて認識していただくことも大切であると思います。この防災スピーカーの整備完了を、市民の防災意識も高める機会とするのです。

そして、この機会を捉えて、併せて、同報無線の整備状況の検証も行うべきであると考えます。地域の区政協力委員をはじめとしたより多くの皆様に事前にお願いをしておき、「音声が聞こえたかどうか」「またどのように聞こえたか」などの結果をフィードバックしてもらい、その結果をもとに、より確実で、より有効な災害時の情報伝達について、総合的に今後の施策を検討・拡充していく必要があると考えるからです。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(3)

~ 訓練は少しでも早い時期に実施を ~

ともお

緊急情報を伝達する手段のひとつである同報無線がこの度、整備完了するということは大変大きなことです。整備が完了し、本市初の試みとなるこの本市一斉「同報無線の吹鳴訓練」実施時期については、9月の総合防災訓練をまたず、もっと早い段階で、少なくとも出水期、すなわち雨が多く降る梅雨の時期より前に行うことで、少しでも早い段階で防災意識を高める機会を設けることができると考えます。
私は、市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」を行うことで、防災意識の高揚、整備状況の検証と2つの効果が得られると考えますが、防災危機管理局長の見解をお願いいたします。

防災危機
管理局長

同報無線は、避難勧告などの緊急情報を伝達する手段のひとつであり、市内全域にサイレンと音声を伝達できるよう、平成28、29年度の2箇年で、機器の機能強化と増設を図っているところです。
議員ご指摘のとおり、多くの市民の皆様に、本番さながらのサイレンと音声を聞いていただくことは、防災意識の高揚にもつながるとともに、音の伝達状況の把握等にも役立つと認識をしております。

同報無線につきましては、整備完了後、しっかりと検証し、状況に応じて必要な改善を図っていくことが重要であると考えておりますので、議員ご指摘の防災意識の高揚を図るための市内一斉吹鳴訓練を来年度の出水期までのできるだけ早い時期に実施するとともに、音の伝達状況に関する具体的な検証方法について検討してまいります。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(4)

~ 訓練の市民への周知を(再質問) ~

ともお

防災危機管理局長より、「防災意識の高揚を図るための市内一斉吹鳴訓練を来年度の出水期までの、できるだけ早い時期に実施するとともに、音の伝達状況に関する具体的な検証方法について検討する」との力強いご答弁をいただきました。明日にでも、甚大な自然災害が起きるかもしれないという当地域の実情を踏まえた、担当局長としての思いを感じとらせていただきました。
森ともおここで、一点、再質問をさせていただきます。今回、ご提案申し上げている訓練については、市民の災害に対する意識の高揚を図る上でも、また、市内一斉に大きな音が鳴るわけですから、市民の皆さんの市民生活に影響を及ぼすといった観点からも、事前にしっかりと周知を図っておくことも大切です。

そこで、例えば、広報なごやなどを通じて、訓練の意義や目的、日時等を、市民の皆様お一人お一人への周知をしっかりと行うべきであると考えますが、具体的な周知方法についての局長の見解をお願いいたします。

防災危機
管理局長

平常時に訓練を目的に同報無線を一斉に吹鳴することは、市民の防災意識を高める一方で、市民生活に影響を及ぼすことも有り得るため、議員ご指摘のとおり、訓練の意義や目的、日時等をしっかりと広報し、市民の皆様に理解を得る必要があります。
つきましては、広報なごやはもちろんのこと、市公式ウェブサイト、登録制メール、フェイスブック、ツイッターなど、様々な手段を活用しながら広報するとともに、区政協力委員を始め、地域の皆様のご理解とご協力をいただきながら進めてまいります。

市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」について(5)

~ 訓練で明らかになった課題を次に生かすことの重要性(要望) ~

防災危機管理局長より、ご答弁をいただきました。最後、要望を述べさせていただきます。

私は、今回、市内一斉「同報無線の吹鳴訓練」による防災意識の高揚、整備状況の検証について、質問に取り上げさせていただきました。この質問の発端は、伊勢湾台風など、これまでの経験から熱田区の中では、最も水害に対して危機感をもってみえる千年学区の住民の方々との「スピーカーは新しくついたが、本当にスピーカーの音が住民に聞こえるのか」とのお話からご提案申し上げるに至った次第であります。
本件について、局長からは、大変前向きなご答弁をいただきました。そのことについては感謝申し上げます。しかし、大切なことは、吹鳴訓練の結果を、いかに次の防災対策に生かすのか。市民の皆さまの不安感を少なくしたり、実際の被害を最小限に抑えたりするために、次の段階にどう進めるかということであると思います。

仮に、アナウンスが聞こえなかった地域があったとしたら、そこに対して、どんな対策を講ずるのか。スピーカーの増設なのか、それとも別の手法で対応すべきなのか。また、アナウンスは聞こえていても、反響して何を言っているのか分からない地域があったとしたら、どんな対策を講ずるのかなど、しっかりと検討し、前進をさせていただかなければなりません。
冒頭に述べた通り、「南海トラフ巨大地震」を含む大規模地震及びそれに伴う津波、また、巨大台風、ゲリラ豪雨などの風水害、これらの自然災害は、いつ来るとも分かりません。防災危機管理局におかれましては、今後も、市民の皆さんのお声をしっかりとお聞きしき、関係局との連携、さらには、県や国との連携を図り、市民の皆さまの命と財産を守るために、全力を尽くしていただくことを強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

名古屋国際会議場の機能強化について(1)

~ 利便性向上に向けた施設の改修及び拡充 ~

ともお

続いて、「名古屋国際会議場の機能強化について」項目をまとめて質問をさせていただきます。
名古屋国際会議場は、名古屋市制100周年を記念して開催された世界デザイン博覧会の際、白鳥センチュリープラザとして整備された後、国際会議場として供用が開始されました。そして、1992年(平成2年)から始まった第2期整備工事では、大規模な会議に対応するため会議室等を増設、1994年(平成2年)から全館供用が開始をされています。
この国際会議場は、3,000席を要するセンチュリーホールのほか、イベントホール、白鳥ホールといったホールや、多数の会議室を備える、規模・機能ともに、当地域を代表するコンベンション施設であります。
2010年(平成22年)には、180の国・地域、国際機関等が参加した生物多様性条約第10回締約国会議、いわゆるCOP10が開催されたほか、平成26年にも153の国・地域、国際機関等が参加したESDユネスコ世界会議が開催をされています。また、2012年(平成24年)からは、全日本吹奏楽コンクール中学・高校の部の全国大会が、国際会議場センチュリーホールで開催をされています。

このように、コンベンションなど大規模会議のみならず、コンサート、コンクール、イベントなど様々な当地域の交流拠点として長年大きな役割を果たし、地域のブランド力向上にも寄与してきた国際会議場ですが、竣工か約30年が経過し、施設の老朽化が懸念をされています。
そんな中、国際会議場については、わが会派の橋本現副議長が、「大規模改修時の主催者等への対応について」昨年9月の本会議代表質問において、質問をさせていただいたところです。
一方で、大きな経済効果が期待されているMICE誘致については、国内外の都市間競争が激化しており、ソフト・ハードの両面での機能強化も求められているところです。

他都市の状況に目を向けたいと思います。国際会議の開催件数、参加者数ともに国内第1位の「パシフィコ横浜」では、現在2万㎡の展示ホールがありますが、それに加え、2022年春の開業を目指し、展示面積7000㎡を有する「みなとみらいコンベンション施設」の整備を予定しています。これにより、合計27000㎡の展示機能が整備されることになります。
また、パシフィコ横浜に次いで第2位の国立京都国際会館には、現在3000㎡のイベントホールがありますが、それに加え、2018年秋の開業を目指し、2000㎡のニューホールを建設しています。これにより、合計5000㎡のホール機能が整備されることになります。
このように、多くの都市において、都市間競争に勝ち抜くために必要な機能強化が図られようとしています。本市は現在、観光庁のグローバルMICE都市として認定されており、国際会議場を舞台とする国際会議等大規模コンベンションを誘致し開催していくことは、本市の都市魅力の向上、都市ブランドの向上には欠かせません。
また、2027年の東京・名古屋間のリニア開通を控えている本市においても、国際会議場の老朽化した施設の改修や利用者の利便性向上も含めた機能強化が必要不可欠であることは、言うまでもありません。
ちなみに、名古屋国際会議場のイベントホールは約2000㎡であり、広さが足らないという理由で他都市のコンベンション施設にイベント等が流れてしまっているとも聞き及んでいます。

名古屋国際会議場の機能強化について(2)

~ 周辺住民への配慮 ~

ともお

一方、週末には、国際会議場の駐車場に入るための車が周辺道路にあふれ、渋滞を引き起こしていることがあります。また、コンサートなどのイベントの開始、終了時刻を中心に、家族を迎えに来る車が列をなすこともしばしばあります。今後、大幅な来場者増加が見込まれる中、そういった状況も踏まえ、改修、機能強化にあたっては、周辺住民への配慮も当然必要であると考えます。
森ともお現在、整備に関する調査が行われているところでありますが、本市において、現在の国際会議場の課題をどのように捉え、今後の施設改修や利便性向上も含めた機能強化についてどう取り組んでいこうと考えているのか。また、いつ頃、改修の時期を明らかにする予定なのか。観光文化交流局長の見解を求めます。
以上で、私の第1回目の質問を終わらせていただきます。

観光文化
交流局長

名古屋国際会議場は、COP10をはじめ国内外の多くの大規模会議等の開催を通して、集客や高い経済効果等に貢献してきた、この地域を代表するコンベンション施設でございます。
一方で、施設の老朽化の進行や、コンベンション誘致における都市間競争の激化などの環境変化を受け、施設の機能強化や利用者の利便性向上によって、本市におけるコンベンションの基幹施設としての競争力をより一層高めていく必要があります。
利便性向上に向けた課題として、特に、大規模会議において求められる展示機能について、他都市施設に比べ不足していることや、ホテル等宿泊施設、会議場への利用者のアクセスにかかる利便性向上などがあると認識しております。

そのような中、地下鉄駅からのアクセスについて、現在屋根付き歩廊の整備に取り組んでいるところでございますが、その他の諸課題については、今年度の調査の中で方針をしっかりとまとめ、改修の時期についても、来年度の早い時期には計画案をお示しできるよう、努めてまいりたいと考えております。

名古屋国際会議場の機能強化について(3)

~ 来場者への「食」の視点も(要望) ~

ともお

それぞれ、局長よりご答弁をいただきました。まず、はじめに、「名古屋国際会議場の機能強化」について、要望を述べさせていただきます。
今年度の調査では、国際会議場の整備の推進にあたり、民間活力を導入するコンセッション事業・PFI事業の導入可能性、また、先ほど、課題として挙げられた「宿泊施設の立地可能性」についても検討がされていると聞いています。

先ほどのご答弁で、来年度の早い時期には、計画案をお示しいただくことになるとのことでした。私は、国際会議場の機能強化を図る上で大切なことは、需要予測に沿った展示エリアの拡張や、宿泊施設の誘致、全施設における耐震強化、障害のある方への配慮など、多岐にわたると思いますが、今後ますます増加する来場者の皆さまの「食」に関わる点についても重要であると思っています。

皆さんご承知の通り、名古屋国際会議場のある熱田区日比野には、すぐ近くに名古屋の台所「名古屋中央卸売市場」があります。また、名古屋といえば、なごやめしです。新鮮な食材で作った料理、また、名古屋名物として定着しているといっても過言ではないなごやめしを国際会議場への来場者の皆さまに食べていただきたいと思うのです。そのような「食」の視点も併せ持っていただき、もちろん利便性向上、周辺住民への配慮という視点を大切にしながら、今後の国際会議場の機能強化に関わる検討をしていただくことを強く要望させていただき、本件については、終わらせていただきます。

MoriTomoo

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