令和元年9月定例会 個人質問2019/09/13

9月定例会で、質問をいたしました。

  1. 熱田神宮を中心とした熱田の盛り上げについて
    ――熱田神宮駅前地区まちづくり協議会の今後のあり方と方針――
    ――まちづくりを推進するための体制の強化――
  2. 18歳までの通院に係る子ども医療費助成の拡充について

熱田神宮を中心とした熱田の盛り上げについて(1)

~ 熱田神宮駅前地区まちづくり協議会の今後のあり方と方針 ~

ともお

本件については、2017年の2月定例会で取り上げさせていただき、そののち、2018年4月に「熱田神宮駅前地区まちづくり協議会」が発足しました。そして、本年3月には、まちづくり協議会として「熱田神宮駅前まちづくり構想 中間案」が示されました。
これまでの間、地域の皆さんをはじめ、あつた宮宿会や商店街、名古屋学院大学など、多くの皆さんが、「今一度、熱田を盛り上げたい」「歴史・文化のまち熱田の魅力を伝えたい」「子どもたちに継承したい」など、様々な思いを胸に、自らができることを精一杯取り組んでこられてきました。

森ともお 例えば、「朔日参りの習慣を多くの方に知っていただきたい」との強い思いで、1月を除く毎月一日に熱田神宮や秋葉山圓通寺で開催されている「あつた朔日市」、今では、この朔日市には多いときで約1万人の方に来ていただいています。
また、熱田の歴史・文化「熱田の誇り」を子どもたちに伝える取り組みとして「熱田かるた」の制作やかるた大会の実施、そして、以前にも紹介させていただいた、区内すべての小学校で実施している「紙芝居による出前授業」、とりわけ、本年6月には、堀川まつり30周年、多くの皆さんのご尽力によって、宮の渡し周辺の堀川にて、打ち上げ花火が打ち上げられました。
また、かつて東海道随一の宿場町であった「宮宿」の面影を残し、東海道の唯一の海路であった桑名と宮宿を結んだ七里の渡し近くには、本年3月、かつての魚市場の面影を残す魚問屋モニュメントが完成しました。
熱田区白鳥学区の地域の皆さんを中心に、「宮の渡し・大瀬子地区 まちづくり協議会」も設立されました。かつて多くの東海道を旅する人々がお参りをした熱田神宮、そして、宮の渡し・大瀬子地区ともに、熱田の盛り上げには欠かせない歴史ある地域ですが、この地域については、観光文化交流局・コンベンションビューローのご尽力もあり、名古屋城とのつながりも含め、NHKの「ブラタモリ」でも「名古屋・熱田編」として取り上げられるなど、かつての熱田の歴史・文化、そのかつての賑わいに大きな注目が集まりました。

一方、熱田区役所も、地元歴史ボランティアの皆さんや関係機関のご協力のもと、「熱田まるごと博物館」と銘打ち、区内地下鉄駅や白鳥庭園、名古屋学院大学、ショッピングセンター、区役所、図書館など町中のあらゆるところで熱田の歴史・文化に触れていただく取り組みも11月に実施されます。
このように、ここ数年、熱田神宮を中心とした熱田を盛り上げようという機運が年々高まると同時に、より多くの皆さんが精力的に活動に関わり、活動の幅や力強さが増してきています。
しかしながら、約90億円もの多額の予算を投じて本市が取得した熱田区役所南側の約7000㎡の空地活用を含め、まだまだ熱田神宮駅前地区のまちづくりの具体的な姿はみえてきていないのが現状です。
だからこそ、今まさに、「まちづくり協議会と本市の在り方を、ステップアップさせる時期にきている」と考えます。
そこで、まず、住宅都市局長に質問をさせていただきます。

熱田神宮駅前地区まちづくり協議会の今後のあり方と方針について、ご所見をお聞かせください。
今後、熱田神宮駅前地区のまちづくりを推進する上では、組織体制の強化が必要不可欠であると考えますが、いかがでしょうか。住宅都市局長、よろしくお願いいたします。

住宅都市
局長

「熱田神宮駅前地区まちづくり協議会」は、熱田神宮の東側のエリアを対象に、地元の方々を中心に設立されたまちづくり団体です。当協議会の活動は、この熱田神宮駅前地区が抱えている課題の解決や、まちの魅力の創出につながるものと考えております。本市では、当協議会の活動を起点として熱田が盛り上がるよう、協議会の設立に向けた準備や、地域まちづくりコンサルタント活用助成を通じてこれまでも活動を支援してまいりました。

今後、まちづくり構想が策定され、大きな転換点を迎えることとなる当地区のまちづくりを、これからも力強く牽引していただけるよう、引き続き協議会の活動を支援してまいります。

また、当地区には熱田区役所南側に位置する約7,000㎡の市有地が含まれており、その活用方法も重要な検討課題と認識しております。そこで現在、当協議会で進められております「熱田神宮駅前地区まちづくり構想」の作成にあたりまして、本市もその作成業務に積極的に関わることにより、協議会と本市が足並みの揃った一体的なまちづくりが進められるよう取り組んでまいりたいと考えております。

熱田神宮駅前地区は、名鉄・JR・地下鉄の駅が近接し、さらには熱田神宮の隣に位置することから、利便性と集客力を兼ね備えたエリアと認識しておりますが、現在、商店街にはシャッターが目立つなど、残念ながらその優位性が十分に活かされているとは言えない状況です。
今後、まちづくり構想が策定され、地権者の皆さんとの協議・調整などいくつもの段階を経ながらまちづくりを進めていくことが見込まれます。本市としましては、事業の進捗状況に合わせまして、効果的・効率的な事業推進の観点から、必要な組織体制の見直しを図ってまいりたいと考えております。

熱田神宮を中心とした熱田の盛り上げについて(2)

~ まちづくりを推進するための体制の強化 ~

ともお

組織体制については、「効果的・効率的な事業推進の観点から必要な組織体制の見直しを図る」とのお答えでした。
まず、組織体制について、要望させていただきます。

森ともお 今後、いよいよ該当地域に住んでみえる方、お店を営業されている方、土地の所有者など、お一人お一人のまちづくりに対する考えや、今抱えている不安や課題、その解決方法など、かなり踏み込んだやりとりが必要になってくると思います。また、いまだに所有者が誰なのかすらわかっていない建物もあると聞いています。
それぞれの地権者や所有者、経営者の皆さんの置かれている状況は千差万別であり、「熱田を盛り上げるために、どうか我慢をしてください」と言うべきものではなく、皆さんの将来の生活や命、いわば人生をかけた選択の場面も生じるでしょう。だからこそ、しっかりと、皆さんの思いに耳を傾け、信頼関係をもって話をすることができる体制を整えることが最も大切であると思うのです。
約30年前から再開発の話が持ちあがっては消え、途中で頓挫し今を迎えている現状を打ち破り、一気にとはいかずとも、まちづくりを着実に前進させるべく、万全の体制で熱田の盛り上がりを必ず成し遂げることができるよう、一刻も早く万全の体制づくりをしていただくことを強く要望し、この件については終わります。

また、協議会の今後のあり方と方針については「現在、協議会で進められているまちづくり構想の作成に本市も積極的にかかわり、協議会と一体的なまちづくりが進むよう努める」とのご答弁がありました。ようやく、名古屋市も本腰を入れるぞといった気合を感じました。
そこで、再度、住宅都市局長にお伺いいたします。「熱田神宮駅前地区まちづくり構想」について、策定・公表をいつされるのか、その時期をお答えいただきたいと思います。また、今後のスケジュールについて、どのようなご認識をおもちなのか、よろしくお願いいたします。

住宅都市
局長

熱田神宮駅前地区まちづくり協議会では、まちづくり構想を今年度末を目途に策定する予定と伺っております。この動きに合わせまして、本市としては協議会と十分に連携を取りながら、熱田区役所南側の市有地の活用方針をまちづくり構想の中に盛り込んでいくような形で、地区として一体的かつ整合性のある構想となるよう調整を進めてまいります。

また、まちづくり構想の策定後につきましては、具体的な事業化に向け歩み始めることになってまいります。その際には、地権者の方一人ひとりの意見に耳を傾けることが重要となります。

本市としましては、2027年のリニア開業という節目を意識しつつ、地元の機運や合意形成の状況を見極めながら、事業化に向け着実に取り組んでいくべきと考えております。

熱田神宮を中心とした熱田の盛り上げについて(3)

~ 熱田区役所南側市有地の暫定活用 ~

ともお

住宅都市局長から「今年度末に、まちづくり協議会が策定・公表するまちづくり構想に、熱田区役所南側市有地の活用方針を盛り込む」とのご答弁があり、まずは一段ステップアップすることと理解しました。
また、今後のスケジュールについては、「2027年のリニア開業という節目を意識しつつ、地元機運・合意形成の状況を見極めながら着実に取り組んでいくべき」との認識を示されました。

確かに、この地区のまちづくりについては、地権者などの数も多く、また、高齢化が進んだり、懸命に店舗を経営されたりして見える方もいらっしゃるなど、それぞれの皆さんの生活や人生にかかわる話ですから、ただ単にスピード感をもってという無責任なことは、私からも決して申し上げられません。だからこそ、それらのことを十分にわきまえてのご答弁であると理解しています。
しかしながら、そういったこの地で生活をしたり、懸命にお店を経営したりしている皆さんの思いに心から寄り添いながら、同時に、区役所南側の市有地の活用については、何もしないで指をくわえている段階ではないと思います。
そこで、区役所南側の市有地について、まちづくり協議会によるまちづくり構想中間案にあった「観光バス駐車場としての暫定活用について」、いかがお考えなのか、住宅都市局長のご所見を願います。そして、最後に、1900年以上の歴史を誇り、今では年間700万人以上の参拝者に来ていただいている熱田神宮の門前ともいえる熱田神宮駅前地区の今後のまちづくりにかける決意をお聞かせください。

住宅都市
局長

熱田区役所南側の市有地につきましては、これまでほとんどは熱田区役所が臨時駐車場として使用する程度に留まっており、その有効活用は本市にとりましても重要な課題であると認識しております。

一方、当敷地は隣接する道路と十分に接道しておらず、隣接する大津通との接道幅は6メートルに満たない状況です。このままの状態では、観光バスなどの大型車両が出入りできないことから、この課題の解消に向けた方策をしっかりと整理し、観光バス駐車場としての暫定的な活用について検討してまいります。

次に、まちづくりにかける決意についてです。本市では平成29年、名古屋の魅力を最大限磨き上げ、その魅力を発見・発信していくため「名古屋魅力向上・発信戦略」を策定しており、この中で、名古屋城から有松・桶狭間にかけての一帯を「歴史・文化魅力軸」に位置付けております。熱田エリアは、この軸のちょうど中央付近に位置していますが、この中でも、熱田神宮に隣接し交通利便性も高い熱田神宮駅前地区は、名古屋においても特にポテンシャルの高い地区であると認識しているところです。

住宅都市局としましては、まちづくり協議会をはじめとした地域の皆さんとともに、熱田神宮駅前地区が、その歴史・文化といった独自のポテンシャルを十分に活かすことができるよう取り組んでまいります。

特に、熱田区役所南側の市有地につきましては、周辺との一体的な土地利用を行うことで、より高い事業効果が得られるものと期待できます。地域の皆さんとの協議・調整を重ねながら、地区として一体感があり、また悠久の歴史を誇る熱田らしさが感じられるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。

18歳までの通院に係る子ども医療費助成の拡充について(1)

~ 通院部分についても助成対象に検討を ~

ともお

本市における、子ども医療費助成については、平成18年度に子ども青少年局が発足して以降、順次拡充が図られてきました。
現在は、中学生まで通院、入院ともに所得制限や一部負担なしで実施しており、これは、政令指定都市の中で、本市以外では、唯一さいたま市のみが実施している画期的と言える、先進的な取り組みであると思っています。

そして、昨年2月定例会本会議において、我が会派のうかい春美議員が「子ども医療費助成の拡充」について取り上げ、その結果、まずは入院の助成が令和2年1月から実施されることになりました。
思い返せば、子ども青少年局ができた平成18年4月時点において、助成対象が、入通院とも就学前の児童までであったことを考えると、素晴らしく前進していると言えると思います。
本市の子ども医療費助成制度は、他の政令市と比較しても、まぎれもなくトップクラスを誇るものであり、まさに「子どもを生み育てるなら名古屋で」を象徴するものであると言えます。

森ともお さて、先ほど申し上げた、来年1月より、入院について、18歳にまで助成を拡充する点については大いに評価でき、本市として誇るべきものであると考えます。しかしながら、高校生世代は、思春期後半にあって心身のバランスが崩れやすくなったり、体の変化が大きくなったりする時期でもあり、日常的に医療機関にかからなければならないこともあります。そして、子育て世帯にとって、大変お金がかかる時期でもあります。
私は、まさに、医療費助成のトップランナーとして、全国を先導する立場にある名古屋として、さらにもう一歩踏み込んで、通院部分についても、現行の中学生までとしている助成対象を18歳まで拡大していくことについて、検討を進めていくべきではないかと考えます。子ども青少年局長のお考えをお聞かせください。

子ども青
少年局長

子ども医療費助成につきましては、子育て世帯の所得に左右されることなく必要な医療を受けていただくことにより、健やかな子どもの成長を支える重要な施策であると考えております。
本市の子ども医療費助成制度につきましては、現在は、中学生までを対象とし、通院、入院ともに所得制限や一部負担なしで助成を実施しております。
これまでも助成対象年齢の拡大に際しては、医療費負担の大きい入院にかかる助成を先行し、その後順次、通院に拡大をしてきたところでございます。

助成対象年齢を18歳に拡大するに際しても、相当の経費を要することから、まずは、入院にかかる助成から拡大することとし、令和2年1月から円滑に実施できるようしっかりと準備を進めております。
子ども医療費助成は、本市における子育て支援施策の大きな柱の一つでございますので、通院助成を18歳まで拡大することにつきましてもしっかりと議論を進めてまいります。

18歳までの通院に係る子ども医療費助成の拡充について(2)

~ 「子どもを産み育てるなら名古屋」の意気込みを ~

ともお

子ども青少年局長から、「相当の経費は要するが、通院助成を18歳まで拡大することについても、しっかりと議論をする」との見解が示されました。
確かに、高校生までの入院部分の助成対象拡充を来年1月にようやく迎えるこのタイミングで、しかも、この9月議会というタイミングということを考えると、10億以上の経費を要する通院部分の18歳までの拡充については、局長としてはおそらくギリギリのご答弁であろうと思います。

しかし、他都市においては、所得制限、一部負担はあるにせよ、すでに大阪市、堺市が、通院についても18歳まで拡充しており、加えて浜松市、静岡市も、通院・入院ともに、もう今年度、18歳まで拡充するんです。この現実も、今一度確認をさせていただきたいと思います。
「子どもを産み育てるなら名古屋」、このことを改めて全国に知らしめ、医療費助成のトップランナーとして、全国を先導する立場にある名古屋として、また、「本市の未来を担う、宝物というべき子どもを大切にするんだ」という本市の心意気を示すためにも、子ども青少年局と財政局を所管する伊東副市長として、責任ある気合を込めた答弁を求めます。

名古屋市
副市長

子ども医療費助成制度につきましては、次代を担う子どもの健康を守る重要な施策であり、助成対象者や助成範囲において、本市は政令指定都市のなかでもトップクラスにあると自負しております。

これまでも、議会のご理解をいただきながら、入院から通院へ、助成範囲を順次拡大してきたところでございます。来年1月から18歳までの入院にかかる助成が始まります。その実績や中学生の通院の状況などを踏まえ、「日本一子どもを応援するマチ ナゴヤ」をめざし、18歳までの通院に係る子ども医療費助成の早期拡充について、前向きに検討してまいります。

18歳までの通院に係る子ども医療費助成の拡充について(3)

~ 早期の実現に向けて検討を(要望) ~

ともお

副市長から気合を込めた大変前向きな答弁をいただきました。
これで名古屋市は、こども医療費助成において、18歳までの入院・通院とも、所得制限や自己負担がない形で実施を目指すこととなり、政令指定都市のなかでトップを走り続けることになると確信しました。
早期の実現に向けて精力的に検討をすすめていただくよう強く要望いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。

MoriTomoo

▲PAGE TOP