令和2年6月定例会 個人質問2020/06/26
6月定例会で、質問をいたしました。
スクール・サポート・スタッフの全校配置について(1)
~ 子どもたちの笑顔があふれ、安心して学ぶことができる学校を ~
森
ともお
本定例会では、本議場において、新型コロナ感染症対策として、様々な議論が重ねられてきました。私は、コロナ渦において求められる「学校の新しい生活様式」を踏まえ、「スクール・サポート・スタッフ」について質問させていただきます。
スクール・サポート・スタッフとは、教師が子どもたちと向き合う時間の確保に向け、学習プリントや家庭への配付文書の印刷などの業務とする会計年度任用職員です。本件については、昨年度の決算・予算委員会でもその課題改善に向け取り上げてきました。その結果、本年度は、これまでの勤務形態や人員確保などの課題を改善する形で33校に配置がされています。
しかしながら、6月1日の学校再開にあたり、一部の保護者からトイレ清掃に関する不安の声が上がり、また、トイレは清掃と消毒を同時に行うため子どもに行わせることは困難であることから、当分の間、教職員で行うことになりました。しかし、国の第2次補正予算において、スクール・サポート・スタッフの追加の配置があり、再開時に教職員が子どもと向き合う時間を確保するため、急遽、全校に配置することになりました。
しかしながら、急なこともあり、配置は学校再開の6月1日には間に合わず、学校現場では、再開から先週6月19日までの約3週間、教職員が授業後を中心に、教室のスイッチや机、階段の手すり、トイレ、そして、授業や部活動などで共用する教材や教具・道具など、消毒や清掃を行ってきました。そして、ようやく今週6月22日から、スクール・サポート・スタッフがそれらの作業も含め、子どもたちが安心して学ぶことができるよう、各学校において消毒・清掃のみならず頑張っていただいています。
まだ多くのことが分かっていない新型コロナ感染症に対する恐怖心はぬぐい切れないものの、ようやく再開した学校を、「子どもたちの笑顔があふれ、安心して学ぶことができる場所にしてほしい」、これは、学校現場の教職員だけでなく、議会のみならず、地域や保護者、そして、子どもたちの願いであると思っています。
しかし、このスクール・サポート・スタッフの配置は、今のところ、1か月間だけとなっています。また、時間がない中、制度設計をせざるを得なかったこともあり、人員確保が各学校に任せられた形となり、約1週間という短い期間でスクール・サポート・スタッフを確保できた学校は、すべての学校の約7割にとどまってしまいました。ただ、ここでお伝えしたいことは、教育委員会は、一人でも多くのスクール・サポート・スタッフの確保に向け、ぎりぎりまで人の確保ができるようにがんばってくださったということです。
ただ、結果的に、人員の確保ができなかった約3割の学校は、当然のことながら、これまでも、今日も、これからも、教職員が消毒・清掃作業をすることになります。そんな中、一部の学校では、PTAや地域の皆さんのご協力をいただきながら、「少しでも教師が子どもと向き合う時間を確保できるようにしたい」と、ご尽力をいただいているのも事実です。
さて、あっという間に夏休みがきます。そして、8月17日から31日までの間、1学期の第2弾。そして、9月1日から2学期が始まります。
仮に、1学期の第2弾以降、以前の日常生活、そして、学校生活に戻るのであれば、言い換えれば、学校では、消毒もしなくていいよ、また、教育活動の一環として、トイレ清掃についても、教職員の指導の下、子どもたちでしてもいいよ、そして、教育活動も以前のようにしてもいいよ。給食も子どもたちが語らいながら楽しく食べてもいいよ、となるならば話は別です。
しかし、現在のように、消毒や清掃をし続ける必要があるのであれば、1学期第2弾となる8月17日からも、スクールサポートスタッフを配置すべきと考えますが、現段階では、任期は7月22日で終わってしまいます。では、1学期第2弾・2学期・3学期はどうするのでしょうか。第2波・第3波を学校から引き起こしてはならないとの思いで、必死に学校・スクールサポートスタッフ、地域・PTAなど多くの方が尽力しているにも関わらずです。
今でも、学校では、「歌はしっかりと声を出して歌えない。鍵盤ハーモニカやリコーダーも後回し」活動の制限は挙げればキリがありません。コロナ渦において求められる「学校の新しい生活様式」が求められる以上、そして、第2波・第3波を引き起こさないためにも、公募形式で人員を確保したり、勤務形態を工夫したりして、本市学校全校に配置すべきと考えています。
私は、今年3月のように感染が広がった場合、そして、現在の状況が続いた場合も含め、現在と同様に全校に緊急にスクール・サポート・スタッフを配置すべきと考えますが、教育長のご認識を伺います。
名古屋市
教育長
学校再開後につきましては、可能な限りの感染防止対策を施しながら教育活動を行っており、学校に負担をかけているものと認識しております。教育委員会といたしましても、感染防止に係る物資配布等の支援に努めているところでございます。
国は2次補正予算におきまして、感染防止対策の強化を図ることで純増する業務を軽減する趣旨で、スクール・サポート・スタッフの配置を可能とする措置を講じました。
教育委員会としてはこれを受けまして、再開後の1か月あまり、全ての学校・園を対象に消毒・清掃作業を行うことを中心としたスクール・サポート・スタッフの配置を可能といたしました。
今後、新たに感染が広がった場合は、臨時休業を含めた必要な措置をとることになりますが、学校での教育活動を進めるにあたりましては、教員が子どもと向き合う時間を確保するため、スクール・サポート・スタッフの配置についても必要に応じて検討してまいります。
スクール・サポート・スタッフの全校配置について(2)
~ 緊急に必要になったときのために ~
森
ともお
教育長から「学校での教育活動を進めるにあたっては、教員が子どもと向き合う時間を確保するためのスクール・サポート・スタッフの配置についても必要に応じて検討する」とのご答弁でした。
私は、国の制度を活用し、「少しでも教師が子どもと向き合う時間を確保できるようにしたい。そして、多くの子どもたちと接する教職員への感染リスクを減らしたい」という教育委員会の決断には、敬意を表します。
しかし、今回の課題を踏まえ、必要となったときにすぐに人を配置できるようにしておいたり、希望するすべての学校に配置することができるようにしておいたりする制度を構築しておくなど、財源の確保も含め、先を見ておかなければなりません。
少なからず、緊急にスクール・サポート・スタッフを配置しなければならない状況になったときに備えて、どのような準備をしておかれるのか、教育長、具体的にお答えください。
名古屋市
教育長
この度のスクール・サポート・スタッフの緊急配置にあたりましては、限られた時間の中での募集であり、定員の約7割の配置となりましたが、保護者や地域の皆様からボランティアでの参加も含め、温かいご支援・ご協力もいただきました。
緊急時を含め、子どもたちが安心・安全な学校生活を送るためには、保護者・地域の皆様のご理解・ご協力が不可欠であると認識しておりますので、日頃から保護者・地域の皆様と情報交換を密にし、連携を深めていくよう努めてまいります。
今後のスクール・サポート・スタッフの配置につきましては、国の措置が継続することが前提ではありますが、今回の経験を踏まえ、募集の方法などの課題を整理し、対応を考えてまいります。
スクール・サポート・スタッフの全校配置について(3)
~ ウィズコロナ時代における学校の感染症防止対策 ~
森
ともお
教育長から「今回の経験を踏まえ、募集の方法などの課題を整理し、対応を考えておく」とのお答えがありました。しっかりと前進をさせるという決意の表れと理解しました。
私は、本件について、6月上旬以降、今日の今日までお会いしたり、お電話やメールでお聞きしたりなど、学校の校長や教頭や担任の先生など、個人的なつながりのある合計56人の先生(6月26日現在)にお話を伺ってきました。
今、学校現場では、感染症対策・熱中症対策など、様々な課題があるなかで、そして、先ほど述べた多くの制約の中で、増えた授業時間の中で、懸命に休業中にできなかった学習をしています。先ほど、教育長のご答弁で「学校に負担をかけている」とありました。しかし、子どもたちにも、負担が行っています。とりわけ、受験生の生徒の皆さんの不安は想像以上のものであるでしょう。楽しみにしていた中津川野外学習・稲武野外学習がなくなり、水泳学習がなくなり、長年がんばってきた部活動も、特に最終学年の児童生徒は、練習試合すらできない中で、必死に我慢をしています。
学校が再開し、約1か月が経とうとしています。今なお、重症化するリスクが高い家族や高齢者と同居していたり、見えない不安だったりする理由から、今日も、何百人もの児童生徒が欠席(今は、出席停止という対応がなされていますが)していることを皆さんはどう思われるでしょうか。
今後、新型コロナウイルス感染の第2波・3波がいつきてもおかしくないと言われています。「学校の新しい生活様式」としての「学校における基本的な新型コロナウイルス感染症対策について」においても、手洗いやマスク、せきエチケットなど加え、消毒作業や清掃活動が求められています。私がお話を伺った56人のすべての方が、「それらをつづける必要があるのであれば、トイレはプロの業者に依頼すべきだ、少なからずスクールサポートスタッフの配置をすべきだ」と口をそろえておっしゃいます。
ウイズコロナの時代を見据え、今こそ、学校、地域、家庭、そして、オール名古屋で、「子どもたちの笑顔があふれ、安心して学ぶことができる学校を」実現するために、すべての大人の力を結集すべきだと考えます。今後の経済状況や雇用状況によって、例えば、本市の緊急雇用対策として、スクール・サポート・スタッフを配置するなど、教育委員会だけでは実現不可能な、局・委員会の枠を超えた制度構築も含め、より効果的な対策を講じていただきたいのです。
新型コロナ感染症の第2波・第3波が来た時も含めた今後のスクール・サポート・スタッフの配置も含めた学校の感染症対策についての、新型コロナ感染症対策をつかさどる堀場副市長のご認識と決意をお聞かせください。
名古屋市
副市長
防災危機管理を統括する立場の私にご質問をいただきました。新型コロナウイルス感染症につきましては、いまだ不明な点が多く、私たちは、長期間、この新たな感染症とともに社会で生きていくことも考えないといけない状況にあります。
本市では、市内ではじめての感染者が発生した直後から丁寧な健康観察を実施し、モノから人への接触感染防止のための「3D大作戦」を展開するなど、徹底した感染拡大防止に取り組むとともに、ナゴヤ信長徳政プロジェクトによる中小企業の経営の支援など、市をあげて取り組んでまいりました。
学校においても、「新しい生活様式」を導入し、感染及びその拡大のリスクを可能な限り低減しつつ、教育活動を継続し、子どもの健やかな学びを保障していくことが必要であると認識しており、将来を担う子どもたちのために、市をあげて学校での感染防止対策に万全を期してまいりたいと考えております。
今後、スクール・サポート・スタッフの配置など、学校での対応につきましては、教育委員会が中心となって進めていくこととなりますが、全市的な観点からも必要に応じ、調整を図ってまいりますのでご理解賜りたいと存じます。
森
ともお
堀場副市長より、「市をあげて学校での感染防止対策に万全を期していきたい。全市的な観点から必要に応じてスクールサポートスタッフについて調整を図っていきたい。」とのご答弁がありました。どうか、「この対応は、必要である。でも、お金がないからできない」ということは、ことこのコロナ対応、子どもたちのための施策であれば、絶対にあってはなりません。副市長の強いリーダーシップをご期待し、私の質問をおわります。ありがとうございました。
令和4年度「成人の日」記念行事について(1)
~ 成年年齢引き下げに伴う記念行事のあり方 ~
森
ともお
令和4年度「成人の日」記念行事、いわゆる「成人式」についてです。
皆さんご承知の通り、成年年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法が平成30年6月に成立しました。そして、この法律は、令和4年4月に施行されます。
国は、この民法改正を受け、「成人式の時期や在り方等に関する分科会」を設置しました。その分科会において、成人式の時期や在り方等について、各地方自治体における検討に資するための情報発信を行うための検討を行っていくこととし、その分科会は、平成30年10月以降、8回にわたって開催されました。
そもそも、成人式については、その実施の具体的な方法が法律で定められておらず、その対象年齢を何歳とするか等、成人式のあり方については、地方公共団体の判断で決められるものであり、したがって、成年年齢が18歳に引き下げられたことにより、必然的に成人式の対象年齢が18歳に引き下げられるわけではありません。
令和2年3月、新型コロナウイルス感染症の影響によって持ち回り開催となった第8回目の分科会において、「成人式の時期や在り方等に関する報告書」を発表しました。
その報告書には、地方公共団体や高等学校PTA、公益財団法人日本財団による17歳から19歳の男女へのアンケートなどをもとに、成年年齢引き下げ後の成人式の対象年齢や実施時期等についての各地方公共団体の方向性がまとめられています。
本市においても、高校生を含む、数多くの15歳以上の市民の皆さんへのアンケートや街頭での聞き取りなど、これから成人式を迎える若者の声を集めてこられてきたと聞いていますが、私も令和4年度に18歳~20歳になる知り合いのお子さんや保護者にお話を聞くと、やはり受験などを理由に20歳での成人式がよいという方ばかりでした。
したがって、私としては、やはり、令和4年度以降の成人式については、20歳の方を対象に、式に名前を付けるとすると、例えば、「20歳の集い」とするなど、20歳という節目の年を迎えた皆さんを、地域を挙げてお祝いすることができる会とすべきではないかと思っています。
そこで、子ども青少年局長にお伺いたします。民法改正を受けた成人年齢の引き下げに伴い、本市が行ったアンケートや聞き取りなどの結果と、その結果を受けた、本市における「令和4年度『成人の日』記念行事のあり方について」見解をお答えください。
子ども青
少年局長
民法が改正され、令和4年4月1日より成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることから、令和4年度以降に行われる成人の日記念行事の対象年齢の取り扱いについて、検討を進めております。
検討にあたっては、当事者である若者の意見を十分に反映する必要があり、そこで令和元年度に、高校生や新成人など1,200名以上を対象に、アンケートなどにより対象年齢等について調査をおこないました。この調査では、18歳では進学や就職時期と重なるため「20歳とする方がよい」との意見が多数を占めたところです。
この調査を見ると20歳とすることが望ましいと思いますが、さらに、若者の率直な意見を聞くために、対象年齢を含めた成人の日記念行事のあり方について、街頭や施設等に出向いて若者の声を直接聞き取ることを予定しているところでございます。
成年年齢引き下げの背景には、より早い段階から若者の積極的な社会参加を促すことがあると考えられます。本市ではこれまでも、成人の日記念行事への若者の参画を促してきたところでございますが、今回のことを契機として、より主体的な若者の行事への参画の仕方についても検討してまいりたいと考えております。
成人の日記念行事は、若者本人にとって大切であることはもちろん、地域にも支えていただいている行事でもありますので、対象年齢を含め行事のあり方については、9月を目途に公表してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。
令和4年度「成人の日」記念行事について(2)
~ 対象年齢の早期公表を ~
森
ともお
子ども青少年局長より、「より主体的な若者の行事への参画の仕方についても検討する」とのご答弁がありました。
私の地元熱田区の成人式では、区政協力委員と熱田区役所、新成人の学区代表男女各1名が、1月の成人式に向け、6月から打ち合わせを何回も行い、本番の成人式を迎えます。新成人の代表者の皆さんが企画する当時の担任の先生との交流タイムや新成人インタビュー、地元ミュージシャンのライブや大道芸など、私も、毎年楽しみにしています。
そういう意味では、各区の実行委員会の皆さんと意識を共有し、各区の実情に合わせ、より参加者が「参加してよかった、20歳を節目に自覚をもって頑張ろう」という式にしていただけることは、意義があると思います。
また、一方で、成人式の対象年齢については、局長から「調査をみると20歳とすることが望ましい」と述べるにとどめられました。
しかし、現段階で18歳か20歳、どの年齢で成人式を行うかという方針を示していないのは、政令指定都市中、大阪市、名古屋市だけとなっています。地域や保護者、成年となる若者、もちろん、各区役所の皆さんと、大変多くの方が関わる、しかも人生に一度しかない大切な式ですから、決定が遅かったことが原因で、結果的に式がうまくいかなかったなどということは、到底許されることではありません。
各区役所や市役所には、「民法改正を受けて、名古屋市は成人式の対象年齢を何歳とするのか」「早く方針を示してほしい」という問い合わせや苦情が、今年の成人式の直後を中心に多数入っていると聞いています。
子ども青少年局を所管する廣澤副市長、令和4年度成人式のあり方について、お考えをお聞かせください。
名古屋市
副市長
子ども青少年局を所管している私としては、成人の日記念行事の対象年齢を20歳としたいと考えております。
主体的に若者が決めるということが重要であると考えております。この新しい試みにぜひ挑戦してまいりたいと考えております。私もしっかり関わって検討し、9月を目途に公表してまいります。
令和4年度「成人の日」記念行事について(3)
~ 早期の方針提示とコロナ対策も含めた準備を(要望) ~
森
ともお
廣澤副市長から、「成人の日 記念行事の対象年齢を20歳としたい」とのご答弁をいただきました。ありがとうございます。会場の確保の問題や運営方法が各区や各学区によって異なるなど、これまでも、遅いという感覚で地域や保護者・これから会を迎える皆さんが待っておられます。
令和4年度の式の方針については、「9月を目途に公表する」とのお答えがありました。
開催にあたっては、これまでも多大なご尽力をいただいている地域の方のお力もお借りし、主役である成年の皆さんが、主体的にかかわることができるような「20歳の集い」が実現できるよう、廣澤副市長・子ども青少年局長を中心に、関係局、各区役所としっかりと連携をしていただきますよう、お願いします。
本日、各区の実務担当者会議が行われ、その場において、まずは本年度(令和2年度)の成人式のあり方についての方針説明や意見集約などがなされていると聞いております。
新型コロナ感染症が今後どうなっていくのか、今年度、本当に実施できるのか、さらには、令和3年度・4年度は、この世の中はどうなっていくの、正直、見当が付きません。しかし、万が一の場合に備え、例えばオンライン成人式についても今のうちから検討するなど、知恵を絞って、未来を担う若者たちにエールを送ることができるような準備を、着々と今からしておいていただくことを要望し、この質問は終わります。