令和4年9月定例会 個人質問2022/09/16

9月定例会で、質問をいたしました。

  1. 学校におけるキャッシュレス化の取組について
  2. 市施設へのLED照明の導入促進について

学校におけるキャッシュレス化の取組について(1)

~ 中学校スクールランチのインターネット予約 ~

ともお

昨今、世界的に目覚ましいスピードでデジタル化が進んでいます。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ここ数年で、そのスピードは一段とあがったのではないかと思います。
気づけば、会議や授業がウェブでも行われる時代、例えば学校では、今や、児童生徒一人ひとりにタブレット端末が配られる時代。世界的には、後れをとってしまっている我が国においても、ほんの数年前には考えられないくらいのスピードでデジタル化が進んでいます。
デジタル化の進展に合わせ、様々な場面においてキャッシュレス化が進んできています。キャッシュレス化の利点としては、現金を扱わなくて済むため、とにかく「支払いが手軽にできる「素早くできる」ことが挙げられます。

そこで、今回は、学校におけるキャッシュレス化の取組み2点について質問させていただきます。
森ともおまずは1点目「中学校スクールランチのインターネット予約」についてです。本件については、昨年11月定例会において取り上げさせていただきました。
11月定例会での私の質問に対し、教育長からは「インターネットによる新たなスクールランチ予約システムの導入に向け検討する」との答弁がありました。
改めてになりますが、現在の中学校スクールランチの予約について、「生徒が現金を学校に持っていかざるを得ない」「予約に大変手間がかかる」などの課題があります。
中学校スクールランチのインターネット予約について、検討がどのように進んでいるのか教育長、ご答弁お願いいたします。


教育長

現在、家庭において、パソコンやスマートフォンなどからインターネット経由でスクールランチを予約できるシステムの導入に向けて、先行して導入している自治体やシステム開発業者に聞き取りをし、鋭意検討を進めております。
具体的には、毎日のランチメニューを画面で確認できるようにすることで、子どもたちのランチに対する興味や関心をこれまで以上に高めるとともに、家庭でランチのことを話題にする機会も増えるようにしたいと考えております。
あわせて、コンビニ振り込みやクレジットカード決済など、現在のようにランチカードへの入金のために学校に現金を持参しなくてもよい仕組みの構築を検討しており、これにより生徒や保護者にとっての利便性が飛躍的に高まるものと考えております。

教育委員会としましては、令和5年度に新システムの開発に着手し、令和6年度中には新システムが稼働できるように、努力してまいります。

学校におけるキャッシュレス化の取組について(2)

~ 日本スポーツ振興センター災害共済給付金 ~

ともお

次に2点目、日本スポーツ振興センター災害共済給付金についてです。以降、災害共済給付金と表現をさせていただきますが、日本スポーツ振興センターの災害共済給付制度について簡単に説明をさせていただくと、登下校や在校中に児童生徒の負傷や障害などの災害に対して、医療費などの災害共済給付を行うものです。
この制度の運営に要する経費は、国、名古屋市、同意をした保護者の三者で負担をしている互助共済制度です。対象は、幼稚園、小中高、特別支援学校などで、対象は約410校、本市では、ほぼ100%の幼児児童生徒が加入をしていると聞いています。ちなみに、令和3年度分の給付件数は、19000件にのぼります。

災害共済給付金については、給付額が比較的低額なものが多いようですが、それぞれの学校等で、今述べた19000件もの件数、子どもを通じて保護者に現金が渡るようにしていたり、現金を保護者にわざわざ学校に取りに来てもらったりしているのが現状と聞いています。
そこで、災害共済給付金についても、キャッシュレス化をしてはどうかと考えます。教育長の見解をお聞かせください。


教育長

日本スポーツ振興センターの災害共済給付では、学校管理下における怪我などの災害について、給付金の支給を行っていますが、議員ご指摘のとおり、学校から各家庭に対して原則現金で渡す仕組みとなっております。
学校で現金を取り扱うことに伴うリスクの低減と、保護者にとっての利便性を向上するためには、給付金について学校を介することなく保護者の口座に直接振り込むことが有効であると考えております。その際、業務量の増加が課題となりますので、その対応を含め、日本スポーツ振興センター災害共済給付におけるキャッシュレス化について、検討してまいります。

学校におけるキャッシュレス化の取組について(3)

~ 要望 ~

ともお

中学校スクールランチのインターネット予約について教育長から、「令和5年度に新システムの開発に着手し、令和6年度中には新システムが稼働できるよう、努力する」との具体的な答弁をいただきました。
今の中学校1年生の生徒の皆さんが3年生になった年に実現するということだと思います。
この中学校スクールランチのインターネット予約が実現すれば、教育長の答弁にあったように、パソコンやスマートフォンなどで予約ができるようになり、学校に現金を持参しなくてもよくなります。そして、生徒や保護者の皆さんにとっての利便性が飛躍的に高まります。
令和6年度中の確実な実施を何卒よろしくお願いいたします。


ともお

森ともお また、災害共済給付金については、教育長より「キャッシュレス化を検討する」との答弁がありました。これからも早期の実現に向けてご尽力をお願いします。
今回は、学校におけるキャッシュレス化の取組みについて、2点取り上げさせていただきましたが、冒頭申し上げた通り、社会全体でも学校においても、デジタル化の進展には目を見張るものがあります。
教育委員会におかれては、今回の2点に限らず、デジタルの有効活用やキャッシュレス化という視点で、保護者や子どもたちの利便性向上、そして教職員の働き方改革という点でも、様々有効な施策に積極的に取り組んでいただくようお願いし、本件については終わります。

市施設へのLED照明の導入促進について(1)

~ LED照明の導入状況、効果、今後の取組み ~

ともお

次は、「市施設へのLED照明の導入促進について」についてです。
地球温暖化対策は世界において、もちろん我が国においても最重要課題の一つであることは言うまでもありません。この地球温暖化対策については、日本の温暖化対策を総合的・計画的に推進するための『地球温暖化対策計画』に基づき、様々な取組みが進められてきています。
本市においては、本市が市民・事業者に率先して取り組むべき行動計画として、平成30年に『名古屋市役所環境行動計画2030』を策定し、2030年度までの取組みや目標が設定されています。

しかしながら、その行動計画の中では、例えばハード面における省エネに関する取組みとして、「設備・機器の設置・更新にあたっては、エネルギー効率が優れたものを導入する」として、LED照明や空調等が挙げられているものの、設置・更新の完了年度目標など、具体的な記載がされていません。
令和3年10月、政府は「政府がその事務及び事業に対し温室効果ガスの排出の削減等のために実行すべき措置について定める計画」を掲げ、その中で、2030年までに政府自らのLED照明の導入割合を100%とするとしたことは皆さんもご承知のことだと思います。
本市が、または私たち市民一人ひとりが、温室効果ガス排出の削減に向け、すべきことは数多くありますが、中でも、照明のLED化については、その気になれば実現できるものの一つであると考えます。
地下鉄駅における照明の早期LED化については、先の令和4年2月定例会において、我が会派の奥村議員が取り上げさせていただき、企業局である交通局長から前向きなご答弁をいただいたところです。

そこで、環境局長にお尋ねします。現時点における本市施設へのLED照明の導入状況、及び、蛍光灯をLED化した場合の経費面や環境面における効果、加えて、今後の取組みについてご答弁お願いいたします。


環境局長

本市におけるLED照明の導入状況は、令和4年3月末現在、約9万台であり、環境局としましては、改築予定の施設等を除き、LED化を進める必要がある照明は、残り約14万台と認識しております。
この約14万台の蛍光灯を全てLED化した場合、概算ではありますが、環境負荷低減として約3千世帯分の年間使用電力量を削減でき、電気料金を年間で約3億円余り削減できる見込みではありますが、導入時の機器・工事費用は約40億円と試算しております。
議員ご指摘のとおり、国は、2030年度までに政府自らのLED照明の導入割合を100%とするとしております。
また、国の地球温暖化対策計画ではLED照明について、国全体で100%の普及を目指すとしており、国内主要メーカーにおきましては、蛍光灯器具やランプの製造を順次終了していることから、本市におきましても、市施設のLED化を進める必要があると考えております。

環境局といたしましては、リース方式によるLED照明導入の情報提供を行うとともに、初期費用の軽減に向けた支援策の検討を行うなど、各局に働きかけて市施設のLED化を一層進めてまいりたいと存じます。

市施設へのLED照明の導入促進について(2)

~ 再質問 ~

ともお

市施設へのLED照明の導入については、環境局長より、「LED導入について、初期費用の軽減に向けた支援策の検討を行うなど、各局に働きかけて市施設へのLED化を一層進める」との答弁がありました。
これまでにはなかった「初期費用の軽減に向けた支援策」、例えば仮に経費の半額を支援するという方策をされるとするならば、これまで以上にLED化のスピードは上がるであろうと思いますし、その支援割合によっては、一定の効果はあろうかと思います。
しかし、一定の支援策を講じるからLED化を進めてほしいという環境局の思いは理解できるものの、各局それぞれに課題を抱え、取り組むべき多くの施策があるなかで、軽減に向けた支援策というだけでLED化を本当にスピーディーに、おそくとも2030年までにできるのだろうかと感じています。

これまでは、環境局は初期費用の軽減に向けた支援策なく、各局にLED化を進めてほしいというお願いをしてこられました。しかし、各局も限られた予算でギリギリの予算執行をされている。結果が、今の本市のLED化の状況であると思うのです。これは各局がいけないというものでないと思います。
例えば、本市の象徴ともいえるこの名古屋市役所、現時点のLED照明の導入状況は、本庁舎では約6割強、東庁舎は約4割、西庁舎は約2割弱、市庁舎平均は約3割強です。
やはり費用面の負担を如何に環境局が確保した上で、各局にやってくれと言えるかどうかが重要だと思います。

先ほどの答弁にもありましたが、現在、国内主要メーカーにおいては、蛍光灯器具やランプの製造が順次終了しています。経済産業省による照明器具の生産・出荷統計によると、例えば、直管型すなわち、よくある真っすぐな形の蛍光ランプについては、平成28年度には約7000万個製造されていましたが、4年後の令和2年度には約2分の1の約3600万に減産されています。また、直管型以外の輪や丸い形の蛍光ランプに至っては、平成28年度の6800万個が、同じく4年後の令和2年度には2600万と大幅な減産となっています。
先程の環境局長のご答弁で明確に述べられた通り、早期のLED化をすることで、本市として経済的にも、環境的にも大きなメリットがあるということは明らかです。
すなわち、長いスパンで考えれば、早く進めれば税金の無駄づかいも減らせるし、環境にも優しいということです。

加えて、メーカーが照明器具やランプの製造を終了するという現実を考えた時、2030年まであと8年しかないことを踏まえると、環境局が支援策を講じた上で、LED化を働きかけるだけでなく、LED化に係る初期経費の課題も含めて環境局が責任をもって市全体を取りまとめ、LED化を推進していくぐらいの姿勢で臨むべきです。
全市的な市施設へのLED照明の導入に向けての決意を、再度、環境局長ご答弁願います。


環境局長

既に蛍光灯の製造を終了したメーカーもある中、今後、蛍光灯の球切れ対応が困難となったり、LED照明への切り替えが集中すれば、希望する時期の導入に懸念が生じる可能性があると考えられます。
国の地球温暖化対策の計画改定を踏まえ、現在、本市の事務事業に係る地球温暖化対策実行計画として位置付けている「名古屋市役所環境行動計画2030」の改定作業を進めております。
計画改定にあたりましては、2030年完了を目指した全市的な市施設へのLED照明の計画的な導入について、環境局が先頭に立って検討を進めてまいります。

市施設へのLED照明の導入促進について(3)

~ 要望 ~

ともお

環境局長より、「2030年完了を目指した全市的な市施設へのLED照明の計画的な導入について、環境局が先頭に立って検討を進める」との決意を述べていただきました。大変力強く思います。
森ともお環境局長におかれましては、全市的な市施設へのLED照明を、おそくとも2030年に完了していただくよう、何卒よろしくお願いします。

最後に、要望させていただきます。今を生きる私たちが、未来を担う子どもたちのため、そして、その先を見据えたとき、次世代に受け継がないとならない最も大切なことは、私は二つあると思っています。
一つが平和、もうひとつが地球環境です。
未来を担う子どもたちが大人になった時にこの地球環境がどのようになっているのか、今の私たち大人がすべきことは、少しでも美しい地球環境を次世代へ引き継ぐことであると思います。
今回は、環境について、とりわけ照明のLED化にしぼって、質問をさせていただきましたが、環境と一口に言っても、非常にたくさんの課題があると思います。第3次環境基本計画において本市が描いた「2050年の環境都市ビジョン」、そして、ビジョンを見据え、2021年9月、第4次環境基本計画を策定しました。
これらを、本気で成し遂げる気があるのであれば、ぜひ、市長、そして、副市長、そして、各局長が一丸となって、環境に特化した全市横断組織をつくるべきではないかと思います。各局を横断的につなぎ・調整し、環境面を中心としたお金の使い方に視点を置いて各種施策を行うぐらいの強い思いで、組織体制を是非構築することをご検討いただきたいということを要望し、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。

MoriTomoo

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